PDLA
PDLA

ポリ乳酸(PLA)は、ラクチド(乳酸の環状二量体)をモノマーとし、それを開環重合することにより得られます。DL-ラクチドからポリ-DL-乳酸(PDLLA)が得られます。L-乳酸とD-乳酸は、その立体構造が異なるだけで化学的性質は同じであるため、得られるPLLAポリマーとPDLAポリマーもその立体構造が異なる以外に性質はほぼ変わりませんが、PDLLAポリマーは分子鎖の立体構造が、PLLAポリマーやPDLAポリマーとは違うため、異なった性質を示します。

組成図
化学名
ポリ-D-乳酸
ポリ-D-ラクチド
ポリ[オキシ(1-メチル-2-オキソエチレン)]
ポリ[(3R,6R)-3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン)]
化学式
−(C3H4O2)n
−O−CO−CH(CH3)−
式量
72.06266
CAS番号
106989−11−1
PoLyInfo PID
P090176
性質
結晶性,透明性,
耐熱性(ステレオコンプレックス化した場合)
【参照データベース】
独立行政法人 物質・材料研究機構, 高分子データベース (PoLyInfo)(データベースへのアクセスにはユーザー登録(無料)が必要です。)
アメリカ合衆国 国立医学図書館, 専門情報サービス, 化学情報, ChemIDplus

ポリ-D-乳酸(PDLA)の仕様(例)

当社の代表的なPDLAポリマーの仕様は前述のPLLAポリマーの仕様に準じます。
試験項目
規格
ポリマー同定
標準PDLAのIRスペクトルと一致すること。
分子量(MW)
MW = 200,000 − 280,000
融点(Tm
Tm = 180 − 195 (℃)
粒度
目開き500 µmの篩いを通過しないこと。
外観
異物の混入がないこと。
基本色:白
濃い場合:赤みを帯びた黄色みのうすい灰色(アイボリー),
または、明るい灰みを帯びた黄(ベージュ)。
(目視検査)
上記以外のPDLAポリマーをご希望の場合は個別にお問い合わせ下さい。ご要望に沿ったPDLAポリマーを重合いたします。

ポリ-D-乳酸(PDLA)の形状と用途

PDLAポリマーは、PLLAポリマーと同じ性質、性能を有しており、PLLAで代替可能なため、単独で用いられることはほとんどありません。PLLAとステレオコンプレックス(scPLA)を形成した場合に、融点の上昇や力学的性質の向上等が起こるため、scPLAとしての研究開発が進められています。 形状と用途 図