

当社では、長年にわたる京都大学再生医科学研究所との密接な関係のもと、常に最先端の医療技術の開発に取り組んできました。当社の医用高分子化学における技術は常に業界の先端にあり、今後も世界の医療技術の向上に寄与すべく先駆的取組みを進めてまいります。

心臓血管手術での止血や肺の空気漏れ防止などには、血液製剤であるフィブリン糊が幅広く使われています。しかし、フィブリン糊はC型肝炎など感染症リスクがあるため、これに代わる安全性の高い接着剤を提供する目的で、動物由来ではない天然物質を材料に使用した二液反応型接着剤を開発しました。この接着剤は、医療用シーラントとして接着力が高く、柔軟性に優れているのみならず、生体内での分解時間をコントロールすることができ、感染症リスクがなく、安全性にも非常に優れています。これらの優れた物性は、既に京都大学と共同での動物実験においても実証されており、現在、早期の治験実施にむけて研究を進めています。

当社は、生体内分解吸収性高分子技術を活用し、従来の外科用接着剤シアノアクリレートが抱えていた強い毒性や接着力、柔軟性の低さの課題を克服した、より安全なシアノアクリレート系高機能接着剤の開発に成功しました。
現在臨床使用されているポリ乳酸(PLLA)製骨折治療材における課題を克服するため、強度に優れ、生体内での分解吸収に要する時間を最適化した骨折治療材の開発に取り組んでいます。
研究開発中の技術は、ポリ乳酸の高配向化による強度向上、ヒドロキシアパタイト(HAp)の添加による高弾性率化、さらに他モノマーとの共重合体化やアルカリ性無機物の添加による加水分解性の制御など、複合材料からなる“高強度・高弾性率で骨親和性の高い、生体内時限分解吸収性骨折治療材”です。
ポリ乳酸などの生分解性ポリマーは、環境に優しい材料として注目を浴びていますが、強度や耐熱性の課題を抱えています。当社では、これまで困難であった生分解性高分子材料への放射線滅菌を可能にし、力学的強度、耐熱性、耐久性を付与する新たな技術を確立しました。現在、この技術を活用した生分解性樹脂の新しい用途の開発に取り組んでいます。